CREEDOなるにはトークとは?


「〇〇になるには?」をキーワードに、なりたいキャリアを実現した方のリアルな経験談を聞くことができる定期イベントです。働き方が多様になり、キャリアの選択肢も増えている今の時代。しかし、未経験職種や新しいワークスタイルへの転身をかなえる方法はまだまだ不透明です。「自分らしいキャリアを求めて挑戦する人を応援したい!」 そんな思いから、CREEDOなるにはトークは始まりました。あなたの気になる「〇〇になるには?」をYouTube Liveで毎週お届けします!


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#12のテーマは「事業を成功に導くプロダクトマネージャーになるには?」。

ベンチャー企業を中心にポジションが増えてきている「プロダクトマネージャー」。
エンジニアやデザイナーのキャリアパスとしての注目度も高まっています。
しかし、プロダクトマネージャーの役割が各社で違うこともあり、どんな仕事か分からないという人も多いのではないでしょうか?

このイベントでは、Webサービスのプロダクトマネージャーとして活躍するゲスト3名をお迎えし、プロダクトマネージャーの仕事のリアルや、これからのプロダクトづくりに必要なスキルセットについてご紹介しました!


ゲスト プロフィール






  • 榎本 知史



    ミッションベース複業家。
    新卒でレバレジーズ株式会社に入社し、ライター、マーケター、営業など多様な職種を経てWebディレクターに。
    現在は、Webサービスのプロダクトマネージャーとして5社で複業。
    プロジェクトマネジメントやグロースハック、組織開発の分野でも活躍する。







  • 後藤 紗也佳


    2012年に美容系CGMサービス運営企業に入社し、クリエイティブディレクターとして大規模リニューアルを担当。
    2015年、実名口コミの飲食店検索サービスRettyへ参画し、アプリ・Globalチームのマネージャーを担う。
    プロダクト運営以外にも、オフ会企画・現麻布十番オフィスのデザインなど幅広い業務を担当。
    2020年にシードベンチャーの立ち上げを行い、現在は株式会社dotDに自社事業のCPO(Chief Product Officer)として参画。
    プロダクト開発や自社事業についてTwitterで発信中。







  • 柳田 朋宏


    新卒でBtoB SaaSプロダクトのカスタマーサクセスやセールスを経験した後、広告会社に転職。
    広告代理店と媒体社をつなぐプラットフォーム事業『Media Sheet Library』のプロダクトオーナーを担当する。
    現在は株式会社 セプテーニ・オリジナルにて、広告クリエイティブの運用ツール『CRALY』のグロースに邁進。
    個人活動として、POやPM、事業責任者が集まるコミュニティ『SCRAMBLE UP』を2020年に開始し、事業責任者や起業家などのキャリア・仕事内容について発信する音声配信番組『#ラジスク』も運営する。





モデレーター プロフィール






  • 藤井 蓮


    社会人でもOB訪問できるキャリアシェアサービス『CREEDO (クリード) 』を運営する株式会社ブルーブレイズ取締役。新卒で株式会社メンバーズに入社しECサイトの構築・運用やSNS運用のWebディレクターを経験。ブルーブレイズを共同創業し、現在はCREEDOのサービスデザイナー等を務める。







この4人で、イベントをお届けしました!

Q. 具体的に、プロダクトマネージャーとしてどんな仕事をしていますか?



榎本:僕はプロダクトマネージャーとして、プロダクトの価値を定義して、それを届けるための施策を企画・実行しています。仕事の流れとしては、初期のフェーズではユーザーヒアリングなどで価値の検証をし、その次にロードマップを引いて必要な機能を検討した後、PRD(プロダクト要求仕様書)を作り、仕様書の方針に沿って実装していきます。



藤井:現在3社でプロダクトマネージャをされていますが、どういったフェーズの会社・プロダクトに関わることが多いですか?



榎本:現在担当しているのは、これからプロダクトローンチ予定のところが1社、これからグロースフェーズのところが1社。そしてもう1社はこれから企画が始まる初期フェーズです。



藤井:後藤さんはどのようなお仕事をされてきましたか?



後藤:今勤めている株式会社dotDと前職のRettyで担当範囲が違いました。前職はプロダクトの規模が大きかったので、会社全体のKGIから、私が担当しているプロダクト範囲のKPIを定め、中長期のロードマップをCEOと一緒に立てていました。KPIは3ヶ月単位に落として達成の為の具体施策検討・実行までがメイン業務。チーム創り・採用も一貫して行っていました。現職だと新規事業の立ち上げなので、役割としては事業責任者に近いですね。ユーザーのニーズを把握して、サービスのコンセプトやビジネスモデル考えたり、マネタイズの検証をしたりと、業務範囲はだいぶ幅広いです。もともとはプロダクトのUXやグロースを得意としていたんですが、今は全体を網羅できるよう、ビジネスにも積極的に踏み込んで対象範囲を広げているところです。



藤井:柳田さんはいかがですか?



柳田:前職のサイバーコミュニケーションズでは、社内の業務を円滑にするシステムを運用する部署に所属していました。そのシステムはもともと社外のものを利用していたんですが、社内で開発してリプレイスすることになり、システム運用に詳しかった僕がプロダクトオーナーのような立ち位置で抜擢されたのが最初です。役割としては、システムを開発するエンジニアとのコミュニケーションや要件定義だけでなく、社内外のステークホルダーに対する説明や提案も担当していました。現職では、広告運用支援ツール『CRALY』を担当しています。前職と違い、僕が入社した時点でサービスがすでに出来上がっていたので、改善してさらに顧客を増やしていくフェーズです。そのため現在は、顧客要望を機能に反映させるためにエンジニアと共に改善に取り組んでいます。

Q. ​現在IT系の法人営業なのですが、プロダクトマネージャーで営業出身の方はいらっしゃいますか?みなさんどんなキャリアからプロダクトマネージャーになっているのでしょうか。



藤井:柳田さんはまさに営業職出身ですよね。



柳田:お客様の一番近いところで顧客の要望を聞くことができるのが営業ですよね。現場を一番知っている立場なので、お客様の声をちゃんと社内に届けていれば、プロダクトマネージャーにたどり着く道はあるんじゃないかなと思います。規模感によってはプロダクトマネージャーも直接顧客と向き合う必要のある仕事なので、営業スキルは重要になります。今スキルを磨いておいて損はないはずです。ただ、直結していないキャリアパスにはなるので、なかなか社内での異動は難しい可能性はあります。自分がやりたいことを明確にして言い続けていれば、社内異動や抜擢はかなうかもしれません。



榎本:僕の知り合いで、営業出身からディレクターになった方が2人くらいいます。アジャイル型の開発をしているところだとそのようなキャリアも辿りやすいのかなと思いますね。BtoBサービスは特に、プロダクトマネージャーがいても、営業が吸い上げた顧客の要望を取りまとめて実装してるだけということもあるので、営業が実質プロダクトオーナー的な立場になることもあります。営業と開発の垣根が大きくない会社だったら、柳田さんが仰っているように営業が一番現場の情報を知っているので、そういった環境であれば、営業職でもプロダクトマネージャーっぽい仕事はできるんじゃないかなと思います。



藤井:どういうキャリアからプロダクトマネージャーになられる方が多いんでしょうか?



後藤:一般的にはエンジニアからのキャリアが主流な印象です。でも、私の周りではデザイナー出身だったり、新卒でプロダクトマネージャーになった人もいたりしますね。今後プロダクトマネージャーになりたい方は、プロダクトマネージャーの仕事の大枠を学んで、自分の担当範囲に縛られずに役割を超えた行動をしていくと、実現に近くかもしれません。私もデザイナーだったんですが、肩書きよりもゴール達成を大事にして、役割に限定せず行動したことでキャリアが変わっていったなと思います。



Q. プロダクトマネージャーをする際に、エンジニアのバックグラウンドがないとエンジニアと会話するのは大変そうなイメージがあります。具体的に行った学習や、工夫したことなどがあれば知りたいです。



柳田:その点、僕の場合は人に恵まれたなと思っていて。僕のつたない言葉でもしっかり汲み取って形にしてくださるエンジニアさんと一緒に組むことができたので、わからないところは分からないと正直に伝えていました。なので、大枠は勉強していましたが、細かい言語は勉強していなくて、ディテールの部分はエンジニアさんにお任せしていましたね。求める挙動や解決したい問題を明確に伝えていました。そのためには、様々なプロダクトの引き出しはあったほうが良いかなと思います。



後藤:私も引き出しを広げるために、いろいろな国のアプリをインストールしていますね。具体的な勉強方法で言うと、まず最初に仕様書を書くのは勉強になるかもしれません。どのようにプロダクトの中身が作られているか分からないから、エンジニアさんとの会話に難しさを感じるのではないかと思うので、仕様書を作れるようになると理解できるようになってくると思います。もう少しレベルアップするならば、SQLをたたけるようになる、エンジニアに自社プロダクトの構造を説明してもらって大枠を理解するだけでも全然変わってくるのかなと思います。



榎本:僕はすこし違う意見で、エンジニアの視点を持つことで、逆に現実的な意見しか出なくなってしまう弊害もあるなと思いますね。プロダクトマネージャーがやるべきことって、やりたいことを明確に持っておくことだと思っていて。その点がしっかり固まっていれば、エンジニアさんとコミュニケーションしていくうちに仕様も決まっていくはずなんですよね。やりたいことがぶれているのがディレクターとして一番良くないと思います。仕様レベルの内容は僕も勉強しましたが、仕様に縛られたアイデアを出して、エンジニアさんから「今はこういう技術があるのでもっと簡単にできますよ」と指摘されたことがあります。なので、仕様に制限されずエンジニアさんにアイデアを求めたほうが、良いものができるなと。プロダクトマネージャーやディレクターは、UXベースで本当に価値があるものや必要なものを定義していくのが大事だと思います。



後藤:おっしゃる通りだと思います。大前提のビジョンや顧客の声をちゃんと届けるほうが大事ですよね。その前提があった上で、足りない知識は勉強が必要ということですね。

Q. プロダクトマネージャーとUXデザイナーの違いはなんでしょうか?



榎本:私見ですが、プロダクトマネージャーは自分の意思を伝えていく必要がある役割だと思っていて。一方でUXデザイナーは、先入観を持たずに客観的な目でUX調査をやることが求められると思います。そういった違いはあるとは思いつつ、結構似ている職種ではありますね。

Q.今後目指すキャリアを教えてください。



柳田:僕は、プロダクトオーナーの経験を経て、今後は複数のプロダクト横断で見るような事業責任者になっていきたいなと考えていますね。



榎本:僕の話だと、プロダクトマネージャーとして実現したいUXを探求していくうちに、人の無意識の欲望やインサイトを見つけることに興味を持ったので、心理学やコーチングにも最近関心があります。あとは、社会に必要なプロダクトをつくる視点は今後ますます求められてくると思うので、社会学なども勉強していますね。



後藤:私は、プロダクトマネージャーを「プロダクトのバランスを見る人」と捉えていて、全体を見たときに足りないピースがあれば自分で埋めに行く仕事だと思っています。これまでビジョンを描いたりUXを考えたりということはある程度やってきて、ビジネスの部分が足りていなかったので、今はCPOという立場でそのピースを埋めようとしているところです。あまり職種には縛られていなくて、ITで世の中にどういうインパクトを与えられるかを常に意識しているので、課題ドリブンで次にチャレンジするところを考えていきたいですね。



Q.施策のやる/やらないはどうやって合意形成していますか?必ずしもデータでやるべきだと判断できず、賭け的な施策も中にはあるかと思うので。



後藤:私の場合は、考えた施策も定量的にインパクトを試算して、それに対してコスト考えて優先順位つけています。とはいえ、定量的に判断できない場合もあるので「どんな状態であれば優先順位を変えるか」という定義をチームで決めるようにしていますね。優先度のアップデートは週1で行なっています。ただ、それをやると新しいチャレンジやリファクタリングがやりづらくなってしまうので、チャレンジ枠やリファクタリング枠も別で設けていました。今はこんな形でやっていますが、最初はまったく仕組みが出来ていなくて、徐々に今の形になっていきました。判断軸が無い時は、うまくいくと思う施策は主観でみんな意見が違ってくるので、意見の衝突もありました。そのため、今までやってきた施策をカテゴライズをして、優先順位の基準を決めていきました。



榎本:僕の場合は、後戻りできる / できないの軸と、データで判断できる / できないの軸で4象限に分けたときに、その施策がどの位置にあるかで判断しています。後戻りできるものはさっさとやっちゃえば良いと思っているんですが、実行するか否かの判断が難しいのは、「データで判断できない」かつ「後戻りできない」ものですね。正解がないので、プロダクトコンセプトに合っているかどうかで意思決定するしかないかなと思います。大きい意思決定はもちろんシミュレーションしたほうが良いですが、いちばん大事なのは「プロダクトを通じてどういう社会を実現したいのか」というコンセプトに沿っているかと言うところだと思います。



藤井:他に関わっている方と意見が衝突することはないですか?



榎本:僕が揉めやすいタイプなのでよくあります(笑)。意見が衝突した場合でも、チーム全員が「プロダクトで実現したいこと」の共通認識を持った上で議論できることが一番大切だと思いますね。共通の目的さえはっきりしていれば、迷っても判断しやすいと思います。



後藤:目線合わせは大事ですよね。私も、プロダクトの目標に対しての現在地を改めて確認したり、数年後実現したい世界観を定期的にチームで共有しています。



柳田:僕の場合は、チームにスクラムマスターがいたので、都度アイデアを相談して客観的な視点で壁打ちしてもらうことで施策の精度を高めていました。自分1人で決めてチームメンバーにいきなり伝えてしまうと、反発があったり炎上してしまったりしやすいので、こまめに相談することで合意形成していましたね。

Q. プロダクトマネジメントにおけるしくじり談は?



榎本:しくじりはたくさんありますね(笑)。サービス立ち上げにこぎつける以前に、検証もできずに終わってしまうことが多いです。たとえば新規サービス立ち上げのときに、「そもそもこのサービスは違うんじゃない?」という反対されたり、いつマネタイズするかで揉めたり。プロダクトマネジメントというよりかは組織内でのコミュニケーションの課題になると思いますが、僕はコミュニケーションが得意じゃなくてバシッと言ってしまうタイプなので、反感を買ってしまう...ということはよくあります。



後藤:私もたくさんあります。考え方を変えようと常に意識しているところで言うと、私は目標達成意識が高いタイプなので、短期的なKPIを達成することに夢中になってしまって、新しいアイデアを取り入れたり課題を改善したりすることを疎かにしてしまうことがあったんですよね。結果的にチームメンバーも疲弊してしまい、中長期的に見たときにコストもかかってしまったので、しくじりだったなと思います。冷静に考えると、新しいことや改善に1週間くらい時間を使ったとしても、長い目で見たら大したことないはず。でも、スケジュールの遅延におびえちゃうことがあって。たとえば、スクラム開発を組織に取り入れようとしたときに、最初はコストに怯えてなかなか入れられなかったんですが、導入したらチーム運営がスムーズになり、メンバーのモチベーション変わったので結果的に良かったなと思った経験があります。



柳田:僕は後藤さんと逆で、先のことは描けても、直近のスケジュールを疎かにしてしまっていたことは失敗だったなと思います。エンジニアさんの「先にこっちを対処したいから予定にあるこのスケジュールは遅らせたい」という意見を鵜呑みにしてスケジュールを変えてしまって、後々の予定に響いたことがありました。そのしくじりがあってからは、他のメンバーにスケジュールの相談をもらったときに鵜呑みにせず、どんな問題が起こっているのか理解した上で、いつまでに決着をつけるかを合意してから進めるようにしていきましたね。



藤井:みなさん、ご質問、ご回答ありがとうございました!

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このイベントでは、Webサービスのプロダクトマネージャーとして活躍するゲスト3名をお迎えし、プロダクトマネージャーの仕事のリアルや、これからのプロダクトづくりに必要なスキルセットについてご紹介しました!


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