奧田 陽子(おくだ ようこ)
2018年、新卒で株式会社ベーシックに入社。「ferret One」のインサイドセールスに配属後、2018年10月より広報に従事。一人広報として企業広報、事業広報、社内広報を担う。社内報「b-ridge」の編集長を務め、廃刊寸前だった社内報を9割の社員に読まれるまで立て直す。現在は事業広報専任として、「ferret One」「formrun」をはじめとするベーシックの事業の広報を担う。
社内に眠るネタを発掘できるかが広報の腕の見せ所
現在のお仕事内容について教えてください。
株式会社ベーシックで広報を担当しています。2018年に新卒で入社して半年後から務めているので、もうすぐ2年になります。最近までは社内唯一の広報担当として、企業広報、事業広報、採用広報、社内報「b-ridge」の編集長など、すべてを受け持っていました。現在は広報担当が増えたことから、私は「ferret One」「formrun」といった事業の広報に従事しています。
広報の具体的な仕事は、代表的なものとしてはプレスリリースの配信があります。ベーシックでも、新サービスを公開した際や既存サービスの大型アップデートがあった際には必ず出しています。
また、取材価値のある情報を、メディアを持っている企業に売り込んでいくことも重要な仕事です。たとえば最近では、ベーシックのマーケター育成ノウハウを寄稿させていただく機会を設定することができました。優秀なマーケターの採用が難しくなっている中、社内育成の方法について知りたいというニーズが高まっていることを察知し、メディアに企画を提案したんです。
社内では当たり前のように行われていることが、他社にとっては有益なノウハウになることは意外とありますが、いかんせん社内の人間はそれに気付きにくい。社内に眠る “ネタ” をいかに能動的に発掘し、コンテンツ化できるかが広報としての腕の見せ所です。広報たるもの、ニュースを待つだけでは不十分で、ハンティングの姿勢を常に心がけています。
新卒で入社してまもなく広報に配属になったんですね。最初は苦労されたことも多かったのではないでしょうか?
そうですね。新卒で広報専任として配属されたのは私がベーシック初で。一人広報という体制も相まって追える背中が社内にない中、手探りで学んでいきました。幸い、広報は会社の枠を越えた横のつながりが強い職種なので、広報担当の交流会や勉強会にひたすら足を運び、他社のベテランの先輩方から多くのことを教わりました。
ちなみに、私のように社会人としてのキャリアが浅いうちに広報に配属されるというキャリアは珍しいんです。他社ではたとえば、営業として最前線でバリバリ活躍してきた人が異動して広報を担当するというようなケースが多いと聞きます。ベーシックでも、当時は「若手をいきなり広報にして大丈夫なのか」という意見もゼロではなかったそうですが、「若手だからこそ、フレッシュな目線で会社のことをPRできるのではないか」という期待をかけられての配属。若手広報第一号として、その期待に応えたいという思いは当初から強く持っていました。
親の反対を押しのけてベーシックを選んだ
就活でベーシックを選んだ理由を伺えますか?
「目的思考の強い環境で働きたい」というのが就活時の軸でした。共通の目的、ミッションのために、社員が一丸となっている組織の一員になりたいと。
そう思ったのには、中高時代の原体験が影響しています。私は中学では吹奏楽部、高校では合唱部に所属し、どちらも部長を務めたのですが、チームをまとめあげるのにとても苦労した経験があるんです。部活動をやっている動機はみんなさまざまで、部として同じ方向を向けていないことがもどかしくて。その経験を通じて、目的こそが人を束ねるんだということを実感しました。
そんな思いを抱き、大学では、アイセックという学生団体に入りました。サークルオリエンテーションで先輩の話を聞いたとき、メンバー全員が目的を共有している感覚を感じて、まさに私が追い求めていた環境だと思いました。ベーシックを選んだのも、根本は同じ理由ですね。
とはいえ、就活ではベーシック以外にも多くの会社を見ました。というのも、両親が大手証券会社出身で「とにかく安定している大手に入れ。ベンチャーなんてもってのほか」と口酸っぱく言われていたので、形式的にでも幅広く見る必要があったんです。
でも、本心としては、ベンチャーに行きたかった。若手のうちからいろいろな仕事を任せてもらえる環境で挑戦したいという思いが強かったからです。
ベーシックは、「問題解決」というビジョンを掲げています。多くの先輩社員と交流する中で、話の節々に「問題解決」という単語が出てくることからも、ビジョンがいかに会社に浸透しているかが伺えました。経営者でもない一般社員が会社についてビジョンベースで語れることはあまりないのではないかと思います。それを自然にできているベーシックという会社に、次第に惹かれていきました。
しかし、「やっぱりベンチャーに行きたい」と両親に伝えると、案の定猛反対。「なぜわざわざ無名のベンチャーに行くんだ」と、聞き入れてもらえませんでした。大手企業も一応受けたことを伝えて理解を得ようとしましたが、最後は両親が半ば根負けしたような形で決着しました(笑)。
今振り返っても、親の反対を押しのけてベーシックを選んだ自分の選択は、大正解だったと思います。社会人3年目になってさらに視野が広がった今では、広報という職業柄、社外からの注目度が高い大企業の看板が羨ましいなと思うこともありますが、むしろここからベーシックの名を広めていくことが私の仕事。ベンチャー企業ならではのやりがいを感じています。
広報として、特にやりがいを感じるのはどんなときですか?
ベーシックがメディアに掲載されて、社内チャットが沸いているときは気持ちが盛り上がりますね。特に、社員にメディアデビューの機会を提供できたときは喜びもひとしおです。
また、掲載記事がきっかけで問い合わせが増え、事業の成長に貢献できていることを実感できるときも大きなやりがいを感じます。私自身も、バリバリ成果を上げていくぞという気持ちでベンチャーに入社したので、単にPRしておしまいではなく、事業の数字に貢献できる広報を今後も目指していきたいです。
人に情報を届けることは本当に奥深くて、やりがい、学びがいがある仕事です。広報と広告の使い分け、媒体選び、最適なタイミングの見極め、読後感の設計など、さらに細部にまでこだわれるようになりたいです。
前述のように、ベンチャー広報は他職種から異動してきたベテランが圧倒的に多い世界です。実は私も、そんなベテラン勢と自分を比べて、気持ちが疲弊してしまったこともありました。今では逆に、ベテランと単純比較するのではなく、若手広報ならではの持ち味を発揮していこうという考え方に変わりました。自分の経験も踏まえながら、ゆくゆくは私自身が若手広報のロールモデルとなっていければと密かに思っています。