CREEDOなるにはトークとは?


「〇〇になるには?」をキーワードに、なりたいキャリアを実現した方のリアルな経験談を聞くことができる定期イベントです。働き方が多様になり、キャリアの選択肢も増えている今の時代。しかし、未経験職種や新しいワークスタイルへの転身をかなえる方法はまだまだ不透明です。「自分らしいキャリアを求めて挑戦する人を応援したい!」 そんな思いから、CREEDOなるにはトークは始まりました。あなたの気になる「〇〇になるには?」をライブ配信で毎週お届けします!


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#14のテーマは「会社に勤めながら起業をスモールスタートするには?」。


「自分のアイデアを形にしたい、けれど、独立して起業するのはハードルが高い...」起業を目指す方の中には、そう感じている方も多いのではないでしょうか?
しかし、会社を辞めずにスモールスタートで会社を立ち上げた起業家も多くいます。

このイベントでは、会社に勤めながら起業して現在は独立しているゲスト3名をお迎えし、会社員のまま起業した方法、独立するまでの準備などをお話しいただきました!


ゲスト プロフィール






  • 前田 雄太さん



    株式会社まんがたり代表取締役。
    新卒でエンジニアとして株式会社ワークスアプリケーションズに入社し、2018年に株式会社OKANに転職。
    新規事業責任者をしながら副業で起業する。
    現在はマンガ家芸能プロダクションとして、「次世代マンガ家の活躍する場を創る」をビジョンに掲げ、マンガを軸に事業を展開する。







  • 小島 未紅さん


    株式会社ashlyn 代表取締役。
    1991年5月生まれ。新卒でNTTグループに入社しシステムエンジニアとして働く。
    2016年に株式会社ashlynを創業、アパレル未経験ながらノンワイヤーブラ専門ブランド「BELLE MACARON」を設立。
    オリジナルランジェリーである「24hブラ」はSNSを中心に話題を集め、2020年7月には最高日商1000万円以上を記録。







  • 増田 大夢さん


    株式会社Palfit 代表取締役CEO。
    東京大学工学部卒。学生時代に複数の企業で幅広くエンジニア経験を積み、2019年サイバーエージェントに新卒入社。
    主幹事業であるABEMAの広告システムの開発・運用に携わる。
    2020年7月に「ボディメイクを楽しい経験に変える」ことを目指して株式会社Palfitを創業。
    現在はフィットネス食のD2C事業の準備中。





モデレーター プロフィール






  • 藤井 蓮


    社会人でもOB訪問できるキャリアシェアサービス『CREEDO (クリード) 』を運営する株式会社ブルーブレイズ取締役。新卒で株式会社メンバーズに入社しECサイトの構築・運用やSNS運用のWebディレクターを経験。ブルーブレイズを共同創業し、現在はCREEDOのサービスデザイナー等を務める。







この4人で、イベントをお届けしました!

Q. 事業内容をどんな流れで形にしていきましたか?



増田:会社員時代に起業家のメンターをつけて、その起業家の方と何度も壁打ちをすることで事業内容を形にしていきました。いただいたアドバイスの中に、「自分が熱を込められることと市場として大きいことの2つは必ず外さないように」と言われて。僕はフィットネスが好きで、かつ市場も成長していたのでこの領域でやろうと決意しました。それを軸に、事業内容はゆっくり壁打ちしながら作っていきましたね。



小島:前職は起業が当たり前の文化ではなかったんですが、自分が作りたいものは明確に決まっていたので、ブラのサンプル作りから始めました。作りたいブラのイメージから、手芸用品店で生地を買ってきて制作して。それを工場に持っていって、実際に作れるかどうかを聞いていました。なので最初はあまりマーケティングは意識せず、とにかく自分が作りたいものを作る、という感じでしたね。もし市場のニーズと自分の作りたいものがずれていたら全然売れなかったと思うので、今多くの方にご購入いただいているのは本当に運が良かったです。



藤井:もとから服飾のスキルはお持ちだったんですか?



小島:高校時代に服を作るコースを週1で受けていたのでミシンは使えたんですが、服飾の経験はゼロでした。素人だったからこそ、なぜこういうプロダクトがないんだろうと既存の業界に対して疑問視できたのはあります。固定観念がなかったのは良かったと思います。



藤井:いきなり一人でプロダクトを作るのは難しいのではないかと思いますが、どのように進めたんでしょうか?



小島:OEMという、プロダクトの企画から生産まで請け負ってくれる会社の形態があるので、そういった会社を200件くらいリストアップしてアポしていました。頭を下げて、原価いくらくらいでできるか、最小ロットはどれくらいかなどを相談しながら進めていきました。



前田:僕も小島さんと同じく全然関係ない業界から起業しています。最初のきっかけは、エンジニアをしていたときにマンガ家のたまごの方とお会いしたことでした。マンガが好きだったので話を聞いてみたいなと軽い気持ちで聞きにいったんですが、マンガ家のリアルなきつい労働環境を伺って、ショックを受けたんです。そこからマンガ家が食べていけない状況に課題意識を持ったんですが、お金も情報もコネも何もない状態だったので、Facebookで「マンガ家の友達を紹介して」と投稿するところから始めました。実際に紹介してもらったマンガ家さんに、どういった点で困っているか、どうやって稼いでいるかなどをヒアリングする活動を開始。1年で200人以上のマンガ家と会って、自分ができることは何だろうと試行錯誤していった中で、見出したのが広告マンガです。企業も喜ぶし、マンガ家も喜ぶし、会社としてもやっていけるし実現できるかも...という風にちょっとずつ事業内容が固まっていきました。



最初はもっと全然違うことでマンガ家さんを助けられないかなと思っていて、確定申告代行なんかも考えていました。ただ、「それでお金をもらおうにも、マンガ家さんがそもそもお金に困ってるじゃん」と、途中で見当違いに気づいて(笑)。事業内容はトライアンドエラーで作り上げていきました。

Q. 起業した際、いずれはその事業で独立する前提で考えられていましたか?



小島:自分が欲しいブラを作るという動機からのスタートだったので、最初は趣味としてやっていましたね。最終的には売りたい、ブランドにしたいと思っていましたが、働きながら始めたので、まずは楽しめることが第一だなと。可愛いプロダクトができあがっていくのが純粋に楽しかったので、マネタイズなど当初はそこまで真剣に考えていませんでした。



藤井:独立しようと思ったタイミングは?



小島:商品・サービスとしてすごく良いものができて、これをもっと多くの人に届けたいと思ったときに独立を考え始めました。事業をスモールスタートするのであれば、こういうきっかけでも良いのかなと思います。



前田:僕は最初から独立する前提で考えていました。新卒で入社したワークスアプリケーションズの社長が、「当社で20代のうちに能力を身につけてもらって、30代でそれぞれの社員が起業するようになったらワークスアプリケーションズをつくった意味がある」とおっしゃっていて。それを真に受けて、いつか起業したいなとずっと思っていたんですよね。2018年にOKANに転職したのも、社長が僕の起業に対して前向きに受け止めてくれたからです。面接で社長にゆくゆくは独立したいと伝えると、「会社に勤めながら準備するのがおすすめですよ」と言われて、OKANのような小規模の会社で、全体が見える環境でビジネスを学びたいと思い即決しました。入社してからは、平日の夜や土日を使って起業準備をしていました。



藤井:時間はどうやって捻出していましたか?



前田:OKANはオンオフのメリハリをつけて定時に帰ろうという風土あったので、平日の夜でも時間が取りやすかったです。自分が始めた事業もやりたいことなので、平日の夜や土日の時間を使っていても楽しくて、苦になることはなかったですね。事業を進めていく中で、新しく学んだことがあったり、感謝してもらえたり、嬉しいことがたくさんあったからこそ大変な局面でもポジティブに受け入れられたかなと思います。



増田:僕の場合は「起業がしたい」という想いが前提にあって。ただ、口ではそう言っても起業がゴールではないので、なぜ自分は起業したいのか、どういうことをしたいのかを整理ながら準備をしていきました。



Q. 前田さんは会社の人に独立の意志を伝えていましたが、他のお2人は独立の意思を事前に伝えていましたか?



小島:私は辞めるタイミングで伝えました。最初は起業するつもりはまったく無く、むしろ学生時代は「起業を目指している人なんて暑苦しくて嫌だな」くらいに思っていて(笑)。安定志向で、NTTに入社して堅実にやっていこうと思っていたんですね。NTTは副業禁止だったので、売上は無かったんですが、他社とも取引するようになり法人登記が必要なフェーズになって退職することに。そのタイミングで上司に「実は会社の代表になっているので辞めます」と伝えました。



増田:僕は、本当に仲の良い人以外には言わずに辞めました。

Q. 明確な起業テーマがありません。起業テーマを見つけるにはどうしたらよいと思われますか?



前田:できるかできないかではなく、やりたいかやりたくないかで「やりたい」と思えるものをとりあえず始めてみるのが良いんじゃないでしょうか。起業テーマは頭で考えていたらぽんと出てくるものではないと思っていて。やってみて初めて自分に向いてないかもと気づくことができますし、始めてみないと判断できないことのほうが多い。好きなことでやりたいと思えるものがあるならとりあえず行動してみたらどうでしょう。やってみる中で起業テーマが見つかってくると思います。



増田:前田さんに賛成です。僕と同じで「起業したい」が前提のタイプなのであれば、とりあえず始めちゃえば?と思いますね。僕は会社に勤めながらあまり起業準備が進まなかったので、自分で自分を追い込んで、テーマが固まりきっていないうちに退職して。あえて大変な状況に自分を置くことで、会社員時代に半年かかって進まなかったことが2週間で進みました。悩んでいるならとりあえずやってみることをお勧めします。



前田:この質問に「うまくいく」起業テーマというカッコが付いているんじゃないかなと思うんですよ。そのカッコを外せば、やってみたいことももっと出てくるんじゃないでしょうか?



小島:「成功したい」と思うとテーマに迷っちゃいそうですよね。私が思ったのは、成功するためにも、やっぱり好きなことや興味があることで起業するのが大前提なのかなと。それが自分の原動力になりますよね。熱量がないと良いサービスは絶対作れないと思うので、まずは自分の好きなことでないと、サービスを使ってくれる人がいない、売上が伸びないんじゃないかなと思います。

Q. 心から共感できるビジョンがあれば飛び込みたいんですが、まだそんなテーマに出会えていないです。



前田:僕は、困っているマンガ家さんを支援できないかというところからスタートしたので、ビジョンは後で整理しました。共感できるビジョンに出会えていないとしたら、自分が普段接しない人と話してみると良いかもしれません。

Q. 起業してうまくいけばいくほど本業のモチベーションが下がったりしませんでしたか?



小島:当時システムエンジニアをしていたんですが、起業することでエンジニアとしてのキャリアプランは無くなるので、社内でのキャリアアップに対するモチベーションは下がりました。ただ、起業準備をしながらお金を稼いでおくことは大事なので、効率的に働く方法を工夫して、高評価をもらえるようにきちんと仕事をこなすことは徹底していましたね。会社にいる間にいろいろ吸収してから辞めたいという思いもあったので、やる気が落ちることはなかったです。退職前は最高評価をもらいました!



増田:僕の場合は、毎日がいかにワクワクできるかが自分の中で大事な基準で。会社の仕事よりも起業準備の方がワクワクしてきたタイミングで、会社を辞めました。一つのことにしか集中できないタイプで、本業で企業の時間が圧迫されているという感覚になってしまったので、そこが潮時でしたね。

Q. ご自分の事業に軸足を移すために本業を辞めるタイミングは何で決められたのでしょうか?



小島:仕事の楽しさを考えたときに自分の事業をもっとやりたいという気持ちになったのが本業を辞める大きな理由です。収益化の目処は立っていない状態だったんですが、サンプルを作りながら、「良いものを作って絶対に売るぞ」という覚悟が芽生えて。孫正義さんの名言に「最初にあったのは、夢と根拠のない自信だけ。」というのがあるんですが、私もなぜかプロダクトへの根拠のない自信があったので、それが辞めるきっかけになったかなと思います。



前田:僕も事業への想いが強くなってきたことが理由です。収益化の目処は立ち始めてはいましたが、見切り発車でしたね。マンガ事業にフルコミットしたいなという気持ちがどんどん大きくなってきたタイミングで、社長に辞意を伝えました。安定した状態で辞めた訳ではなかったので、売上が5万円の月もあって、けっこう大変でした(笑)。

Q. 起業の資金は皆さんはどうされたのでしょうか? まとまったお金を使う不安はありませんでしたか?



小島:最初は自己資金で起業準備をして、ホームページができたタイミングで日本政策金融公庫の創業融資を受けて資金を増やしました。未だに私は代表者保証でお金は1円も借りていなくて、創業融資の資金で売り上げを伸ばしています。やっぱり金銭的なリスク負いたくないので、借金は残らないようにしています。



前田:僕もまったく一緒ですね。もともと法人ではなく個人事業主からはじめたんですが、個人事業主2年目より前に借り入れの申請をすれば無担保無保証で借りられる仕組みだったので、融資を受けてリスクヘッジをしながら自己資金中心でスタートしました。

Q. 現在エンジニアとして働いている者です。みなさん前職はエンジニアですが、何かエンジニアという仕事に対する不満などは感じていたのでしょうか?



増田:僕の場合は大規模なサービスを担当していたので、どうしても組織の歯車の一つのような感覚に陥ってしまうことはありました。一方で、資金を貯めるために副業をたくさんしたので、そういう意味ではエンジニアとして学んだことは使えるスキルだったなと思います。



Q. ​私も副業で起業しております!私はエンジニアでは無いので創業メンバー集めに苦労しましたが、みなさまはどのようにして信頼できる創業メンバーと出会いましたか?



小島:創業メンバーは私一人ですが、業務委託で初期から長年ランジェリー業界でブラを作ってきた方と一緒にやっています。私が工場探しで苦戦していたときに商社を通じて紹介してもらいました。信頼できる方と出会えたのは、自分がプロダクトづくりに向けて実際に行動していたことが大きいと思います。すでにサンプルを一個作っていたり、どういう面で困っているかを具体的に相談できたりする状態だったので、具体的に一緒に働くイメージを持っていただけたのかなと。



前田:僕も昔から一緒にやってくれているマンガ家さんがいます。その方はどちらかといいうと、僕のスキルや実績というよりは想いに共感して、やれることがあれば一緒にやりたいと言ってくれました。

Q. 法律面や業界についてなど、分からないことが出てきたときにどのようにして情報を集められましたか?情報を集めるのに特に苦労した疑問はどのようなものでしたか?



増田:とにかく自分の知り合いや、知り合いの知り合いを紹介してもらったり、泥臭くFacebookやTwitterで聞いたりして情報を集めていきましたね。今まさにお弁当のD2Cを始めようとしているんですが、物流周りについてまったく知識がないので、工場にアポをとって教えてもらったり、別の工場を紹介してもらったりしています。



小島:スタートアップっぽくないかもしれないんですが、私は商工会議所に相談していました。弁護士の無料相談もやっているんですよ。気になることがあれば弁護士に相談できますし、契約書のチェックなんかも無料でやってもらっています。小売りやアパレル領域であれば、業界知識の豊富な老舗の商工会員の方もいるので、活用すると良いと思います。

Q. 逆に「こういう時は独立しない方がいい」という考えがあれば教えていただきたいです。



前田:「ビジネスとしてうまくいきそうだから」が主軸の場合は独立をおすすめしません。事業を長く継続させるのが難しいんじゃないかなと。僕個人としてはモチベーションが続くような好きなことのほうが、より継続しやすいんじゃないかと思います。



増田:前田さんの意見に加えて、起業は躊躇する理由がたくさんあるので、できるだけ不安要素を潰してから起業した方が精神的に安定して始められるのかなと思います。

Q. 採用する人が、会社の成長に大きな影響を与えると思います。特に初期段階のメンバーのキャラクターが企業のカルチャーや成長性に多大な影響があると感じます。もし3名だけ雇うとしたら、どういう方を採用されますか?



前田:自分と違うキャラクターの人は絶対雇いたいですね。自分ができないことをできる人や、「間違ってるよ前田」と言ってくれる人。ビジョンさえしっかり共有できていれば、考え方や趣味嗜好が違ったほうが面白いし、多様性があった方が広がっていく部分もあるかなと思うので。



小島:その道に長けているプロフェッショナルな人が良いです。自分のビジョンに共感しているか、そのサービスが好きかどうかも大事ですが、必須ではないかなと思っていて。客観的に会社やサービスを見ていけるように経験やキャリアプランを重視した採用もしていきたいなと思っています。



増田:今まさに最初の3名を雇おうとしている状況で。僕が大事にしているのは2つで、共感とプロフェッショナル性ですね。資金がそんなにあるわけではない中で、一緒に作っていきたいという思いを共有できること、僕にはない強みがあること。その2つを軸に採用を進めているところです。



藤井:みなさん、ご質問、ご回答ありがとうございました!

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このイベントでは、会社に勤めながら起業して現在は独立しているゲスト3名をお迎えし、会社員のまま起業した方法、独立するまでの準備などをお話しいただきました!


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