CREEDOなるにはトークとは?


「〇〇になるには?」をキーワードに、なりたいキャリアを実現した方のリアルな経験談を聞くことができる定期イベントです。働き方が多様になり、キャリアの選択肢も増えている今の時代。しかし、未経験職種や新しいワークスタイルへの転身をかなえる方法はまだまだ不透明です。「自分らしいキャリアを求めて挑戦する人を応援したい!」 そんな思いから、CREEDOなるにはトークは始まりました。あなたの気になる「〇〇になるには?」をYouTube Liveで毎週お届けします!


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#8のテーマは「文系フリーランスで生計を立てるには?」。

場所や時間にとらわれない働き方ができるフリーランス。
しかし、広報、マーケター、ライターなど、スキルの定義しにくい文系職種でフリーランスになることはハードルが高いと感じる人も多いのではないでしょうか?

このイベントでは、さまざまな文系フリーランスとして活動しているゲスト3名をお迎えし、参加者のみなさんからの質問にお答えいただきました。

さらに今回は、イベント内容をリアルタイムで視覚化する「グラフィックレコーディング」を実施し、最後にグラフィックを見ながらイベントの振り返りも行いました!完成したグラフィックはこちら!






ゲスト プロフィール






  • 黒田 悠介



    フリーランス研究家。
    ベンチャー企業勤務や起業、キャリアカウンセラーを経てフリーランスになる。
    日本最大級のフリーランスコミュニティ『FreelanceNow』の発起人を務め、かつては『文系フリーランスって食べていけるの?』というメディアを運営するなど、働き方の多様性を高めるための活動を行う。
    さらに現在は、ディスカッションパートナーとしてスタートアップや大企業の新規事業立ち上げ支援に携わるほか、議論を通してつながる会員制コミュニティ『議論メシ』を主宰する。







  • 増田 あかり


    フリーランスライター。
    新卒で独立系SIer企業にシステムエンジニアとして入社。
    主に新機種のPC・スマホの第三者検証から自動化支援を経験。
    入社から2年を経て、フリーランスライターとして活動を開始。
    現在は、テック系記事執筆、資料作成を中心に活動している。
    エンジニアもライターも未経験で活動を始め、現在フリーランスライター2年目に至る。







  • 笹本 康貴


    フリーランスマーケター。
    学生時代から長期インターンに取り組み、ビズリーチ、Gunosy、ウォンテッドリーで経験を積む。
    新卒ではサイバーエージェントグループのマイクロアドにて新規営業に従事。
    大手メーカー様や小売店様のブランディングやデジタルツールを用いた販促施策のプランニングから提案まで取り組む。
    入社から3年を経て、フリーランスマーケターとして独立。
    現在は、NTTドコモやベンチャー企業の企画や広報として活躍する。





グラフィックレコーダー プロフィール






  • 住田 桃子


    教員を経て、現在は島根県に移住。グラフィックレコーダー兼教育魅力化コーディネーターとして活動中。
    トークセッションやアイデアソン 、ミーティングやコンサルティングの場、教育現場などで対話を言葉や絵や図を使って分かりやすく可視化し、より良い場を作る支援をしている。


    ポートフォリオサイト





モデレーター プロフィール






  • 藤井 蓮


    社会人でもOB訪問できるキャリアシェアサービス『CREEDO (クリード) 』を運営する株式会社ブルーブレイズ取締役。新卒で株式会社メンバーズに入社しECサイトの構築・運用やSNS運用のWebディレクターを経験。ブルーブレイズを共同創業し、現在はCREEDOのサービスデザイナー等を務める。








この5人で、イベントをお届けしました!

Q. フリーランスになる前に準備したことは?



黒田:私はあまり準備をしていなくて、今振り返るとしたほうがよかったなと後悔しています(笑)。完全に好奇心だけで始めたんですよね。ただ、結果的にフリーランスになってから助かったのは、社外に自分の働きぶりを知ってくれている人がたくさんいたことです。おかげでフリーランスとして仕事をスムーズに始めることができたので、普段から社外の人と交流しておいて良かったなと思いますね。



増田:私もまったく準備せずに勢いでフリーランスになってしまったタイプなので、本当に準備しておけばよかったと思います。振り返ると、情報収集をしっかりやっておけばよかったですね。困った時に使うサービスや助けてくれる団体など、何も知らずにフリーランスになってしまったので、最初は検索しまくって「え、どうするんだ?!」と悪戦苦闘しながら1年が経ちました(笑)。



藤井:それでも、ちょっとずつ案件を獲得できるようになっていったんですね。



増田:そうですね。最初はクラウドソーシングサービスのランサーズやクラウドワークスを利用して、案件を取りに行っていました。



藤井:役立つサービスや団体といえば、黒田さんは『Freelance Now』というコミュニティを運営していますよね。



黒田:はい。仲介料を取っていないので、企業の方々が気軽に案件を投稿してくれるんですよね。フリーランスになりたての方にとっては案件を獲得しやすい場になっています。クラウドワークス、ランサーズも登竜門としては良いと思いますね。



笹本:僕も2人と同じく、あまり準備はしていなかったタイプです。諸事情により突然会社をやめることになり、フリーランスになりました。ただ、退社する1年ほど前から社外の方との交流は積極的とっていたので、事前に人脈がある状態でフリーランスになったことは良かったですね。



黒田:意外とめちゃくちゃ計画的に準備した上でフリーになった人は多くないのかもしれないですね(笑)。

Q. 最初はどのように案件を獲得していきましたか?



笹本:僕は最初から、全て知り合い経由でお仕事をいただいていました。フリーランスになってからは知人を積極的にご飯に誘って「フリーランスになったので仕事ください」と直接お願いしていましたね。そうすると、「この会社が募集してたよ」「週2、3日で良いから手伝ってくれない?」と紹介していただけるようになって。1回1回のお仕事のご縁を大切にして少しずつ次の仕事につなげていきましたね。



Q. 具体的にどんなところで人とのつながりを増やしましたか?


増田:クラウドソーシングサービス以外だと、ネットで「ライター募集」と調べて、募集があるところに自分から応募してクライアントと関係性を築いていきました。他にも、『大人が本気で遊ぶ会』というフリーランスコミュニティに入会して、フリーランス同士で交流しながら何かあったら相談できるつながりを作っていきました。



黒田:コミュニティでつながりを増やしていくのもアリだと思います。さっき笹本さんがおっしゃっていたように「一緒にご飯を食べて活動を知ってもらう」ことがすごく大事だなと思っていて。私も対面で会えるときは毎日だれかとランチに行っていました。知らない人とのつながりを増やしたければ、Yenta、bodyu、バーチャルランチクラブ、CREEDOといったサービスがおすすめです。これらを使えばあなたもフリーランスです!(笑)

Q. 文系フリーランスだと、実績を数字などで表しずらいと思うのですが、どのように提示していましたか?


笹本:僕は前職が広告媒体の新規営業だったので、実はマーケターはやったことがなかったんです。未経験職種でフリーランスになるうえで大事だなと思ったのは、嘘にならない程度にハッタリをかますことです。たとえばInstagram広告運用の案件があったときに、僕の場合は運用の経験はなかったものの、広告出稿はやったことがあったので、「近しいことをやってきたのでぜひやらせてください」と言って任せていただけたことがありました。ちゃんとした信頼関係があれば、ちょっとしたハッタリがあったとしても依頼してくださるんですよね。なので、スキル云々というよりは人との関係性を大事にしていました。



藤井:黒田さんは、ディスカッションパートナーという特に数字で表現しづらい仕事をしていますが。



黒田:実力を示す方法の一つは、今までの実績を見ていただくこと。あと私の場合は、提供できる価値が複雑で表現しづらいので、実際に体験してもらうのが一番だなと思っています。ランチをしながら課題を引き出して解決策を提案すると、「とても参考になりました!また詳しく話せますか?」と言っていただけることが多いので、「実はディスカッションパートナーという仕事しているので、続きは有料でご依頼ください」と切り出しています。フリーミアムモデルみたいな感じですね。



藤井:増田さんはいかがですか?



増田:私の場合は、もともとライターとしての実績がまったくなくて。案件獲得に活用していたランサーズでは、受注実績やクライアントからの評価などが出るんですが、最初はゼロだったんですね。そのため、未経験でもOKの案件に応募し、とにかく実績を積み上げていって高評価を得ることが最初の1ヶ月の目標でした。当時は1800文字で300円の案件なんかも受けていて、結構辛かったです...(苦笑)。地道に積み重ねていって今は80件くらいの執筆実績があります。ライターの場合、実績が10件を越えてくると案件の取りやすさや金額が変わってくるかもしれないです。



Q. スキルはどのように習得しましたか?


黒田:今日の3人はもともと持ってないスキルで仕事をしているタイプですよね。私の場合は、実際にたくさん人とディスカッションして泥臭くスキルを習得していきました。あとはスキルシェアサービスのココナラで500円で発注してもらったこともあります。報酬としては安いですが、むしろ自分が経験を買うつもりで案件を受けてスキルを磨いていきましたね。



藤井:文系フリーランスだと自分のスキルが上がったかどうかも計りづらいと思いますが、皆さんどういうところで判断していますか?



増田:クライアントからのフィードバックですかね。成果物を入稿したときに「ありがとうございました」だけで次の契約につながらなければ、それは継続受注につながるほどの実力がなかったんだなと思っています。良い記事を書けたときは評価が全然違うんですよね。どこが具体的に良かったのか、フィードバック内容から分析して次に活かしています。



笹本:スキルアップには、インプットとアウトプットのバランスが大事だと思います。そのため、まずはどれだけ知識を習得しているかが重要になってくるかなと。僕は移動時間をほぼインプットに費やしていて、YouTubeでマーケティングのノウハウを見ることが多いです。インプットしたら次の仕事でアウトプットして、うまくいったかを振り返る。そんなPDCAを自分の中で回しています。

Q. 別業界の人に自分のスキルを説明するのが難しいなと感じております。 自分のスキルが伝わりにくい相手に対してはどのように説明していますか?


笹本:フリーランスはスキルが最重要と捉えている方が多いですが、基本的に仕事は人間関係の中で任されるもの。ちゃんと信頼関係を築いて、目の前の人を大事にすることのほうが大切かなと、僕は思います。スキル、スキルと言ってくる人は、仕事でしか相手を見てないようなタイプもいると思うので、ご縁を大事にしていくほうが自分にとっても心地よい仕事ができると思います。



藤井:普段、ご自身の役割をどんな名前で説明していますか?



黒田:私の場合は「壁打ち相手」と表現していますね。ディスカッションパートナーのような珍しい仕事は、相手に合わせてたとえで表現すると伝わりやすいかなと思います。思考の枠をずらしたり壊したりするのが私の役割なので、「思考の整体師」と表現したり、料理関係の方に対しては「シェフ」とたとえたり。



笹本:僕は「フリーランスマーケター」と言っていますね。フリーランスでマーケターをしている人は少ないのでブランディングになると思い、こう名乗っています。フリーランスになりたてでスキルや実績がないときこそ、セルフブランディングがすごく大事だなと思っていて。たとえば僕の場合は、U29.comというコミュ二ティ型メディアを運営している西村創一朗さんにTwitterでDMを送り、キャリアインタビューをしていただいたところから仕事が広がっていきました。こんなかたちで知名度が高い方の力を借りて宣伝活動することを意識してやっていましたね。



藤井:増田さんはご自身の専門分野をどのようにを紹介していますか?



増田:私はnoteで記名記事の一覧を載せたポートフォリオを作って、実績を紹介しています。気をつけないといけないポイントとしては、特にライターになりたてだと、案件によっては記名なしの場合がある点です。記名なしの場合は自分の実績としてアピールすることが難しいので、私は記名記事を優先して受注するようにしていました。

Q. 文系だと提供するものに明確なゴールがみえずらい部分があると思うのですが、これなら提供できるという成果物ははっきりしているのでしょうか?


黒田:「こちらから提供できる成果物はこれです!」と明言するというよりは、クライアントと話しながらゴールを探っていくイメージですね。ライティングも文字数を満たす記事を書くことだけがゴールじゃないし、マーケターもリーチ数だけがゴールじゃないので、みなさんクライアントと会話してゴールを決めているんじゃないでしょうか?



増田:どんな目的で、何を目標にその記事を書くのかは確認していますね。たとえばWeb記事でPV数を伸ばすことを目標に置くのであれば、類似記事とどう差別化するかなどを提案しながら記事を書いていきます。



黒田:ゴールを擦り合わせていくなかで、「別の人のほうが適任ですね」となるときもあります。その場合は当てはまりそうな人を紹介するようにしています。

Q. 人間関係を維持するために努力していることなどはありますか?


笹本:相手にgiveすることを大事にしています。フリーランスはお仕事をいただくポジションにはなりますが、もらってばっかりではなくまずは与える。仕事でのgiveでなくても、たとえばおいしいレストランを教えるでもいいし、合コンを主催するでもOKだと思います。相手が求めているものをちゃんと提供し続けていくと、逆に相手も僕に何か与えないと申し訳なさが出てくるんですよね。自分からgiveしていくことが良好な人間関係を続けるポイントかなと思います。



藤井:自分からgiveの循環をつくっていくということですね。giveすることはとても大事ですが、一方で無償で提供し続けるのは大変だと思います。みなさんどのようにgiveする・しないの線引きをしていますか?



黒田:私は5分でできることなら誰にでもgiveしていますね。どれだけこちらが提供しても相手が何も感じていなければやめますが、ちょっとしたことならやってもいいかなと。自分にとっては大したことでなくても、相手に恩恵がありそうなことは積極的に行うようにしています。



増田:異色の答えかもしれないんですが、自分の面白いセンサーに反応した人にはできるだけgiveしようと思っています(笑)。意外とその直感は当たりますし、この人は応援したいなと素直に思える人とは良い関係になることが多いです。



藤井:人間関係において、失敗談ってありましたか?



黒田:クラウドファンディングのコンサルをしたときに失敗したなということはありました。収益の1割をいただくという契約で1ヶ月くらい稼働していたんですが、結局クラウドファンディングは実施されず。「実施した場合に1割差し上げます」という内容だったので、契約上はお相手は嘘をついていないですし、結局1ヶ月間タダ働きという状態になりました。契約内容の大事さを知りましたね。



笹本:僕も、契約内容に関してはどんな仲が良い人が相手でも一語一句必ず見るようにしていますね。やっぱり契約の文章が自分を守ってくれるので。



増田:契約周りだと、どこまで修正に応じるかとかという点も大事です。やりとりを残したり、提案時の契約を丁寧に進めておいたりすることが必要ですね。



藤井:人間関係といえば、報酬交渉が心理的にハードルが高いんじゃないかと思いますが、皆さんはどうしていますか?



増田:ライターの場合、多くは原稿単価か文字単価のどちらかになるかなと思います。1記事いくらなのか、1文字いくらなのかという違いですね。私は、文字単価の場合だと、実績から計算した文字単価をプロフィールに掲載しているので、その金額で発注していただいています。原稿単価の場合は、今までの原稿単価を参考にクライアントに金額を提案することが多いですね。



黒田:私も増田さんに近いです。価格交渉がめんどくさいので、自分のホームページに拘束時間1時間あたり金額を固定して載せていますね。私の場合は納品物が対話の時間なので、時給制にしています。



Q. お仕事の領域に直結するスキルや知識以外に知っておくべきことはありますか?


増田:いま会社や組織に所属しているのであれば、健康保険や辞めた後の手続き、年金は調べておいたほうが良いです。あと、フリーランスが賃貸物件を契約しようとするときに断らるケースは未だにありますね。会社に所属している場合はその会社の信用がありますが、フリーだと審査などに通りにくいものが色々あるので、会社に所属してる間に引越しをすませておいたり、クレジットカードを作っておいたりすると安心です。確定申告も、最初の1年は本当に苦労しました...。



黒田:あとは社会の流れをキャッチアップしておくことも大事かなと思います。たとえばAIが自然な文章を書けるようになったとき、単に正確な文章を書けるライターよりも、編集能力があるライターのほうが重宝されますよね。社会の流れを知ることでなんとなく自分のつけるべきスキルも見えてくるのかなと。



笹本:僕の場合、時事問題に対して自分の立場で意見を持っておくことも意識していますね。

Q. 新型コロナによって、お仕事への変化はありますか?


増田:あります。ライターの専門分野によっても状況は違ってくると思うんですけど、クラウドソーシングサービスに新規で参入するライターが多くなったことで案件の取り合いになっていたり、イベントレポートやインタビューの案件が減っていたりという影響はありますね。



笹本:僕の場合は逆に仕事が増えましたね。移動時間がなくなったことで仕事の時間をより多く持てるようになって、同時進行している案件数が2案件から8案件に増えました。



黒田:今までは対面で行なっていたディスカッションパートナーやコミュニティイベントをすべてオンライン化しました。リアルで対話することが自分の価値だと思い込んでいたんですが、オンライン化してみても意外と支障がなかったことは新たな気づきでしたね。自分の本質的な価値は、対話を通した気づきを提供することなんだなと。オンライン化することで、今までは会えなかった遠方の方とも仕事ができるようになって、むしろ仕事は増えましたね。



藤井:なるほど。さまざまな角度から質問が出て、これからフリーランスになる方にとって参考になるイベントになったのではないかと思います。参加者のみなさん、ゲストの皆さんありがとうございました!

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このイベントでは、さまざまな文系フリーランスとして活動しているゲスト3名をお迎えし、フリーランスになる方法や案件を獲得するコツをご紹介しました。


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