CREEDOなるにはトークとは?


「〇〇になるには?」をキーワードに、なりたいキャリアを実現した方のリアルな経験談を聞くことができる定期イベントです。働き方が多様になり、キャリアの選択肢も増えている今の時代。しかし、未経験職種や新しいワークスタイルへの転身をかなえる方法はまだまだ不透明です。「自分らしいキャリアを求めて挑戦する人を応援したい!」 そんな思いから、CREEDOなるにはトークは始まりました。あなたの気になる「〇〇になるには?」をYouTube Liveで毎週お届けします!


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#9のテーマは「30代からの未経験転職を成功させるには?」。

一般的に難しいと言われている30代での未経験職種への転職。
チャレンジしてみたい職種があるけれど、なかなか一歩踏み出せないという方も多いのではないでしょうか?

このイベントでは、30代で未経験職種への転職に成功したゲスト3名をお迎えし、自分にあった仕事の探し方や30代のリアルな転職事情をご紹介しました!


ゲスト プロフィール






  • 高橋 宏之



    35歳で大手生命保険会社の総合職からリクルートグループの事業企画へ初転職。
    2007年新卒で大手生命保険会社へ入社。
    複数の業務を経験後、グループ新生保会社の立ち上げに営業企画・推進担当として従事。
    その後、メガバンクにトレーニーとして派遣され、本部にて支店での生命保険販売の営業企画を担当。
    現在は株式会社リクルートマネジメントソリューションズにて採用領域を起点とした組織開発事業における事業企画を担当する。
    事業が提供できる価値の更なる成長と最大化に向けて、日々事業全体を俯瞰し、マネジメントに邁進。







  • 井上 幸


    30歳でリクルートキャリアの新規事業開発担当からパーソルホールディングスのベンチャーキャピタリストへ転職。
    2010年新卒でワークスアプリケーションズに入社し、営業、システムコンサルタントとして従事する。
    2013年にリクルートキャリアに転職し、人材紹介の法人営業や採用コンサルタントを担当した後に、産休・育休を取得。
    復職後はHR Techの新規事業開発に携わる。
    現在はパーソルホールディングスのコーポレートベンチャーキャピタルであるPERSOL INNOVATION FUNDにて、国内外のHR Techスタートアップへの投資を行う。
    2020年6月に株式会社ミツカルを創業し、代表取締役に就任。







  • 佐藤 耕平


    33歳でNTTデータのプロジェクトマネージャーからスタートアップ企業の人事労務に転職。
    2010年新卒でNTTデータに入社し、約8年間システム開発のプロジェクトマネージャーとして従事。
    入社当初の担当が人事給与システムの開発であったことから、2013年に社会保険労務士試験を受験し1発合格。
    NTTデータに勤務しながら2016年に自身の社労士事務所を開業し、人事労務領域のキャリアをスタートさせる。
    2018年にNTTデータを退職し、現在はD2C事業支援を行うスタートアップ企業で人事労務領域を担当する。





モデレーター プロフィール






  • 藤井 蓮


    社会人でもOB訪問できるキャリアシェアサービス『CREEDO (クリード) 』を運営する株式会社ブルーブレイズ取締役。新卒で株式会社メンバーズに入社しECサイトの構築・運用やSNS運用のWebディレクターを経験。ブルーブレイズを共同創業し、現在はCREEDOのサービスデザイナー等を務める。







この4人で、イベントをお届けしました!

Q. 未経験職種に転職した皆さんですが、転職前はどんな準備をしていましたか?



高橋:転職前の準備はこれといってしていなかったですね。事業企画という職種になりたくて何かをしたということは全然なくて。転職活動をするときに自分の可能性を閉じたくなかったので、職種を限定せずにいろいろ検討していたんです。転職前は4年ほど営業企画を担当していたので、企画系の仕事に応募していきました。転職で心がけていたことは、求人票に出ている必須項目を厳密に捉えすぎずに、気になったら応募してみることです。必須項目に自分が当てはまらなくても、意外と他の経歴でカバーできることがあるので、あまり気にせず応募していました。たとえば、事業戦略には携わったことがなくても営業戦略ならできます、とアピールすれば選考通過できたり。僕の場合は様々な職種を前職の会社で担当していたので、その経験をPRして未経験ということをカバーしていました。未経験かどうかは気にしないのが一番です(笑)。



藤井:意外と応募条件を満たしていなくても通ることがあるんですね。



高橋:経歴やスキルがまったく重なっていないとさすがに難しいので、すこしでも重なりがあることをアピールすることが大事ですね。



井上:前職は中途採用の人材紹介会社で法人営業をしていたので、企業人事の目線からお話しすると、求めていた人物像とちょっと違ったけれど面接してみたいとなることはよくあります。実際に会ってみたらすごく相性が良くて採用につながるケースも。その会社や職種を選んだストーリーに一貫性があれば、未経験ということはあまり気にしなくて良いと思います。


Q. 未経験からの転職は何が決め手でしたか?



井上:実は私はベンチャーキャピタリスト(以下:VC)という職種を選んで転職したわけではなかったんです。もともとずっと事業開発系のキャリアで帰国子女ということもあり、海外事業の立ち上げを経験できる仕事を探して転職活動をしていました。だからVC職への転職は想定外で、実はパーソル以外は一社もVC職を受けていなかったんですよ。なぜVCになろうと決めたかというと、PERSOL INNOVATION FUNDのVCは国内だけでなく海外のHR Tech企業にも出資をしていたので、「この仕事なら世界中の素晴らしいスタートアップと接点が持てる上に、事業の勉強にもなってめっちゃいいじゃん!」と思ったからです(笑)。転職において職種の経験有無はあまり気にしていなくて、自分のキャリアの延長線上にフィットしたものが、たまたま未経験の職種であるVCだったんですよね。



佐藤:僕は山形出身で、将来的には地元に帰るビジョンを描いていて。とはいえ田舎なので仕事があまりないんですよね。帰ったらなんの仕事をしようかと考えたときに、会社があるところで必要とされる仕事は士業だと思い至りました。社労士の資格を持っていたので、地元でも仕事ができるスキルを磨きたいと考えていましたが、実務経験はまったくなくて。そんなときに、たまたま知り合いがいるベンチャー企業から社労士の知識が活かせる人事・労務職のお誘いを受けて、こんなチャンスはないと思い転職を決めました。


Q. 年齢的に採用が難しくなるという現実に直面することはあり得るのでしょうか?



佐藤:ありえるとは思いますね。僕の勤めているような小規模ベンチャーは30代が多いので、たとえば50代の方の採用には多少抵抗があるんじゃないでしょうか。年齢の壁はあると思いますが、それを打ち破れる熱意があればいけるかもしれません。質問者さんが30代なら、まだまだ心配無用じゃないですかね。



高橋:僕が転職活動していたのは35歳のときですが、あまり年齢は気にしていなかったですね。中には転職エージェントの方から「ちょっと年齢がぎりぎりですね」と言われることもありましたが、実際に転職活動でハードルになることはあまりなかったです。現在の職場でも、僕は年齢が上のほうなんですよ。上司が年下だったとしてもこっちが気にしなければ相手は受け入れてくれるので、あまり気にする必要はないと思います。



藤井:上司が年下ということは最初から気にならなかったですか?



高橋:気にならなかったですね。もともと社外の付き合いが多いほうで、社外では年齢に関係なく活躍してる人がたくさんいることを目の当たりしてたので、あんまり抵抗はなかったです。



井上:専門性があるからこそ、年齢による抵抗がないということもあると思います。リファラル採用の事業開発担当をしていたんですが、データによると35歳以上でいきなりリファラルの割合が上がるんですよ。というのも、リファラル採用は一番年収が下がらない転職手段だからなんですよね。自分の人柄や専門性を知ってもらっている上で転職できるので、年収が下がりにくい。未経験職種への転職は年収が下がってしまうことが多いですが、その点を気にせず転職できるようにするためには、知り合いにリファラルのオファーをかけてもらえるような関係性構築や専門性を磨いておくのが大事だと思います。



高橋:僕は正直に言うと年収は下がりました。それでも、長い目で見たときにどうかを考えてやっぱり転職した方が良いなと。最終的なキャリアゴールをどこに置くかと考えたときに、自分の場合は年収を上げることが第一ではなかったので後悔はなかったです。



佐藤:すごく共感します。NTTデータにいれば、60歳まで安定したキャリアを歩んでいけたと思いますが、逆にそれが不安だったんですよね。定年に達したときに、自分はなにで飯を食べていけばいいんだろうと。退職金だけで生活する人生は面白くないし、自分の力で生きていきたいと思って転職しました。



高橋:そうですよね。僕も「自分 − 会社の名刺 = 0」になることをすごく危惧していて、「このまま生命保険会社の何でも屋として働いていて何が残るんだろう」という不安がありました。



Q. 未経験転職して辛かったことや違ったなと感じたことはありますか?



佐藤:前職は大企業で現職は小規模ベンチャーなんですが、やっぱりスピード感が全然違いますね。大企業では「会議のための会議」があって(笑)。現在はそれがなくなって意思決定がスムーズに進みます。ただ、スピード感があるゆえに転職当初は「このまま進んで大丈夫かな?」と不安になることもありました。辛かったというよりはこんなに違うんだなと感じたことですね。



井上:私は転職する前は死ぬほど不安だったんですよ。なぜかというと、お金の計算が本当に苦手で。転職が決まって「VCになります」と前職の同僚に挨拶しにいったときも、「井上さんファイナンスわかるんだっけ?」と口をそろえて言われるくらい(笑)。だから、入社前にエクイティファイナンスの本を読んだり、スタートアップの友達にいろいろ聞いたり、めちゃくちゃ勉強しましたね。準備して入ったら、心配していたような苦労はなくスタートできました。入社してからは辛かった、違った、と感じたことは全然なかったです。私の場合、毎回150%満足のいく転職ができているんです。特に異職種に転職したいという方にお伝えしているのが、職種だけでなく会社に対しても自分が好きになれるところがあるかどうかという視点を持つことです。というのも、職種を変えての転職だと自分がやりたい仕事や今の会社に対する不満ばかりに囚われがちで、会社の好きなところにはあまり目がいかないんですよね。だから転職後に今の会社と前の会社を比較して、「前の会社のほうがよかった」となってしまう人が多い。職種だけでなく会社に対しても自分が好きになれるところがあるかは職場選びで意識した方が良いポイントかなと思います。



藤井:高橋さんは職種だけでなく業種や会社のカルチャーもガラッと変わったと思いますが、辛かったことはありましたか?



高橋:今まで積み上げてきたものすべてがゼロになりましたね。分かってはいたんですけど(笑)。入社3ヶ月後くらいから、だんだんと仕事が辛くなっていきました。転職前には入社1~2ヶ月で活躍しているイメージを抱いていたんですが、思うように価値発揮できてない現実とのギャップに「なんのために転職したんだろう?給料も下がっているしどうしよう」と焦燥感にかられてしまったんですよね。そこから気持ちを切り替えて、地道にできることを少しずつ増やしてPDCAを回していったら、1~2ヶ月後には自分でもびっくりするくらい価値発揮できるようになっていきました。振り返ると、前職の成功体験に引きずられてしまっていたのが良くなかったなと。それを捨てることができたのが転換できた理由かなと思います。また、仕事する上でのベーススキルは職種が違っても一緒なんだなと、この経験を通して学びました。課題を発見する、周りの人との良好な関係性を築く、フットワーク軽く行動することがすごく大事だなと。そういった基礎的なことを大事にしていれば、専門性は後からキャッチアップできると思います。



藤井:そういう基礎的な力を磨くにはどうすれば良いですか?



佐藤:目の前の仕事をしっかりやることに尽きるんじゃないですかね。NTTデータの入社式での社長からのメッセージが「目の前のことをしっかりやりなさい」でした。当時は何を言っているんだろうと思っていましたが、今振り返ると、やっぱり目の前のことをしっかりやることで自然と基礎的な力がついていったなと思いますね。



Q. 新型コロナの影響で採用しない・人員削減している会社もありますが、今の時期に転職するのはどう思いますか?



井上:逆に今だから転職する人も多いと思いますね。私の友人も新型コロナがきっかけで金融系企業から外資系企業に転職していたので、今だから転職が無理というわけではないと思います。ただ、これくらい大きな変化が起きると伸びる産業と衰退する産業が明確に分かれるので、どういうふうにキャリアを積むか、どの市場に身を置くかは転職前にしっかり考えることをおすすめします。



佐藤:共感です。どんな業種においても絶対残る部分を考えたときに、僕は人に関わる部分の仕事だろうなと思っていて、人事業務に興味を覚えたというのはありますね。



高橋:コロナだから云々というよりは、自分の人生を考えたときに今転職すべきならしたほうが良いんじゃないでしょうか。長い目で見てタイミングを考えるのが大事だと思います。


Q. 20代の転職と30代の転職で違うことはありましたか?



井上:1回目の転職はほぼ第二新卒だったので、専門性は全然求められなかったんですね。一方で今回は専門的な経験値が求められる転職だったので、その点で転職前に必要な準備が違ったかなと思います。自分がどれだけその希望職種にマッチした専門性を持っているか、どうやってそれを身につけてきたかということをストーリー立てて説明していきました。



高橋:井上さんのおっしゃる通り、転職では自分のスキルをストーリーにすることはすごく大事だと思います。僕もスキルや感情、行動を転職準備としてノートに書き出しました。日頃からそういう振り返りをしていれば、自分の価値観や強みを棚卸ししやすいと思います。転職活動の際にはそれを職務経歴書に落とすと思いますが、僕は転職エージェントだけでなく友人にも見てもらって、分かりやすいかどうか聞いてブラッシュアップした上で臨みました。職務経歴書をしっかり書くことさえできれば、未経験転職でも自分の可能性を閉じる必要はなくなると思います。



井上:まずバッターボックスに立てなければ、絶対ホームランは打てない。すべての一歩は書類選考というバッターボックスに立つことからなので、高橋さんの意見に同意ですね。あと、私の場合、最初の転職は職歴が多くなかったので職務経歴書を簡単に書けたんですが、30代になるとやってきたことが多すぎて、けっこう忘れてしまっていて。すぐに転職しなかったとしても年に一度は職務経歴書をアップデートしておくと良いと思います。



藤井:この会社に入りたいという判断基準はなんでしたか?



井上:私の場合は「この会社だから入りたい!」という思いは正直あんまりなかったです。やりたいことができる環境かどうかで見ていました。会社に就職するっていう感覚がずっとなくて。今は複業で自分の会社も経営しているんですが、整った環境で働くよりも自分で一から事業をやるのが一番面白いですね。



佐藤:その感覚すごく分かります。僕もベンチャーに転職しようと決めたのは、今の会社の人事制度が当時はまったく構築されていなくて、一から自分で作れそうなところに面白みを感じたからです。あと、僕自身は転職という形を選びましたが、副業で始めるというのも良いなと思っていて。次に行きたいキャリアの準備のために、まずは副業でスモールスタートして、自分の進みたい方向性と合っているなと分かってから転職するとリスクが少ないですよね。



井上:未経験転職する前に副業する人は増えてきた印象ですね。まったく経験したことがない仕事だと憧れが強くなりがちで実際に合うかどうかを見極めにくいと思うので、副業で始められるならやっておいた方が良いと思います。



高橋:僕の判断基準は、自分のWHYと会社のWHYが一致しているかどうか、専門性をつけられるかどうかですね。なので、これらが叶えられる環境であれば必ずしもリクルートグループでなくても良かったですし、大企業かベンチャーかはあまり気にしていなかったです。


Q. また未経験転職をする可能性はありますか?



佐藤:あると思います。僕はリスク分散が大事だと思っていて、ずっとひとつの職種をやり続けるのではなくいくつか経験しておくことでリスク分散したいなと考えているので。今のところ、NTTデータで培ったプロジェクトマネジメントのスキルと、現職で磨いている社労士のスキルで2つの専門性を持てています。さらにここから経営者という3つ目の能力を身につけて、どれか1つをを失っても残りの2つでやっていけるようなプランを考えています。



高橋:未経験転職はありえますね。結局いつ価値観が変わるかなんて分からないので。僕は新卒で生命保険会社に入ったとき「よし、これで60歳まで安泰だ〜」と思っていましたが、それが今では自分のサバイバル能力を高めたいと思っていますしね(笑)。



井上:私はサラリーマンはもうやらないかな。創業初期のスタートアップに転職する可能性はありますが。やっぱり事業開発という仕事が好きなので、次のステップは同じ事業開発か経営者かなと思います。



藤井:みなさん、ご質問、ご回答ありがとうございました!

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このイベントでは、30代で未経験職種への転職に成功したゲスト3名をお迎えし、自分に合った仕事の探し方や30代のリアルな転職事情をご紹介しました!


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