プロフィール
-
荻野 智希 (おぎの ともき) CEO
高専卒業後、アーティストとして活動。海外留学中のシェアハウス暮らしから不動産企画に興味を持ち、不動産ベンチャーを数社経験。表現者や世の中の想いをもった人たちを応援するために場づくりを実践中。
-
吉田 柾長(よしだ まさなが) COO
大手広告会社の営業と企画を経験した後、成長ベンチャーの経営企画&マーケティング担当に転職。その後マーケティングに特化した複業フリーランスとして独立し、複数のプロジェクトにジョイン。商圏ごとに戦略立案する「エリアマーケティング」を軸に、店舗プロデュース、マーケティングコンサルティングなどを行う。
-
高野 峻太朗(たかの しゅんたろう) CDO
デザイン事務所・大手内装会社で経験んを積んだ後、独立。商業デザインだけでなく、空間と人と繋がるソーシャルな場をつくるために活動中。
-
富田 淳(とみた じゅん) Neriba統括マネージャー
沖縄で7年間の公務員生活から脱サラして関東に移住。「人との交流を通して個人の世界が広がる」空間をつくるために活動中。大のお酒好き。
Neribaは偶然の出会った4人の「化学反応」から生まれた
Neribaを運営するスペリアルは、どんな組織なんでしょうか?
荻野:スペリアルは、まちで使われていないリソースをシェアリングエコノミーの視点から再生活用したり、場づくりを通してまちの課題をクリエイティブな発想で解決する集団です。いわば、まちを面白くする仕掛け人。オンラインの繋がりが過剰になった今だからこそ、遊休不動産というスペースを活用してオフラインのリアルな繋がりを作っていくべく、「スペース」と「リアル」を掛け合わせた「スペリアル」という名前にしました。
主な事業は、遊休不動産再生事業、不動産運営・管理事業、マーケティング・イベント企画運営事業、ブランディングやWEBを含む各種デザイン制作事業の4つです。遊休不動産再生事業の中心が、練馬駅近くにあるマンションの4階と5階を改装して作ったレンタルスペース『Neriba(ネリバ)』です。4階の402号室はキッチンとバーカウンターを備え、昼はカフェ、夜は日替わり店長バーになるスペース。隣の401号室は、イベントも開催できるコワーキングスペースです。そして5階はリモートワーカーやパラレルワーカーを支援するシェアハウスと、様々な機能を備えた複合空間になっています。多様な想いや夢を持つ人が集まることで、面白い化学反応を起こすことを目指しています。
現在は私・荻野が代表を務め、マーケティング・PRを担当するCOOの吉田、空間デザインを担当するCDOの高野、Neriba統括マネージャーの富田の4人で運営しています。
とても個性あふれる方が集まった組織ですね!それぞれ今までどんなキャリアを経験されてきましたか?
荻野:大手複合機メーカーに新卒で入社した後にフリーランスのアーティストになり、不動産会社に勤めて今に至ります。もともと音楽が好きでDJや作曲をするようになり、音楽アーティストとして本格的に活動したいと思い、一念発起してフリーランスに。インディーズレーベルでCDデビューをし、CMの曲なども制作していました。場所を問わず働ける仕事のため海外を経験したいと考え、その後1年半、オーストラリアやフィリピンに滞在。異文化に触れる中で暮らしに興味を持つようになり、帰国後は不動産ベンチャーに転職しました。物件再生の仕事などを経て、現在はスペリアル代表を担っています。
高野:僕は一貫してデザイン領域でキャリアを歩んできました。高校3年生のときにある照明デザイナーの作品に感動して空間デザインに興味を持ち、インテリアデザインの専門学校に入学。盲目的に就職活動をすることに違和感を抱き、卒業後1年間はアルバイトをしながら各地の建築を観て、本当に人を感動させる空間デザインとは何かを見極める時期を過ごしました。その後、デザイン事務所や大手内装会社で経験を積み、独立して今はNeribaの空間デザインを担当しています。
富田:僕は沖縄県庁職員がファーストキャリアです。小さいときから安定志向で「公務員になったら幸せ」という固定観念があり、新卒で県庁に入庁しました。しかし、実際に公務員になってみると「このままでいいんだろうか?」と思うようになっていったんですよね。専門的なスキルがあるわけでもなく、他にやりたいことのイメージもなかったため働き続けていましたが、今後の人生を考えたときに本気になれることに時間を費やしたいと考え、入庁7年目で思い切って退職。もともと新しい人と繋がって自分の世界を広げることが好きで、多様な人と出会える場づくりに携わりたいという思いがあり、ご縁があってスペリアルでNeriba統括マネージャーをしています。
吉田:新卒でぐるなびに入社し、飲食店の集客支援を行ってきました。飲食店が所在する地域の特性を把握して集客戦略を立てる役割だったのですが、その流れで地域活性の仕事にも携わるようになり、現在はフリーランスマーケターをしながらスペリアルでもマーケティング・PRを担当しています。
そんなキャラクターも専門分野も違う4人は、どのようにして出会ったんでしょうか?
荻野:2018年の年末に僕と高野が出会ったのが始まりですね。不動産会社に勤めていたとき、個人的に空き家再生に携わりたいと構想していて、同僚に「面白い人がいる」と紹介してもらったのが空間デザイナーの高野でした。僕と高野はすぐに意気投合し、チームで何かやりたいと思い、早速スペリアルと銘打って活動を開始することに。後のNeribaになる物件を見つけて、どうやって運営していこうかと考えていたタイミングで出会ったのが富田です。ある日、日替わりの店長達によって運営されるバー『PORTO』に行ったときにたまたま2つ隣の席に座っていて。客同士の交流が盛んなバーなので、初対面の富田にも話しかけました。仕事の話をしているうちに、スペリアルとしてやっていきたい場づくりに共感してくれて、早速次の日に1対1で飲みに行くことになったんです。
富田:バーで初めて会った人と意気投合して次の日にも飲みに行ったので、周りからは「騙されてるんじゃない?」と言われていましたね(笑)。
荻野:そうだったね(笑)。こんな流れで、Neribaの立ち上げを3人でやることになりました。吉田とは、そのときに本業として働いていた株式会社アスラボで出会いました。
吉田:僕がちょうど新しく住む家を探していて、荻野が不動産業界の出身だったので「いい物件知ってますか?」と聞いたんですよね。そこで、完成したばかりのNeribaのシェアハウスを教えてもらったのがきっかけです。最初は単なる住人として入ったんですが、Neribaは住む人も運営に関わる余地のあるスペースで、いつの間にか空間づくりやマーケティングを手伝っていくようになっていって。せっかく関わるなら本気でやりたいと思い、正式にジョインしました。
Neribaは多様な想いや夢を持つ人が集まることで面白い化学反応を起こすことを目指していますが、Neriba自体が、ご縁が重なって偶然出会った僕たちの「化学反応」によって生まれたスペースなんです。計らずも集まった4人ですが、不動産・空間づくりが得意な荻野と高野、コミュニティづくり・マーケティングが得意な富田と僕というバランスの良いメンバー構成になっています。それぞれのスキルを活かして不動産の再生から運営まで一気通貫で行えるチームは、我ながら珍しいと思いますね。
「きっかけが生まれる、やりたいが形になる、想いが広がる」を各地に

どのような流れでNeribaをつくっていきましたか?
荻野:「きっかけが生まれる、やりたいが形になる、想いが広がる」というコンセプトをもとに、最初はイベントスペースとシェアハウスの複合施設を構想していました。401号室のイベントスペースはもともと部屋を間仕切る壁があったんですが、取り壊して一続きの空間にしたり、人工芝を敷いたり。オープンしてからも様々な改修をしながら、今の形になっていきましたね。不動産では珍しいのですが、ソフト開発で言うところのアジャイル型開発のように、小さく実装してテストしてを繰り返してつくっていきました。
高野:カフェ・バースペースは最後に出来上がりましたね。最初は事務所にしようと構想していたんですが、「コワーキングスペースで仕事をした後にお酒が飲めたら最高だよね」というアイデアから、キッチンスペースをつくることに。交流がテーマの空間にしたかったので、毎日店長が変わる「1日店長バー」というコンセプトにしました。特にキッチンは1日店長さんの大事な舞台なので、「動きやすいようにキッチンスペースは広めにした方が良いよね」「話しやすいように店長さんとお客さんの目線の高さは同じが良いよね」と、現場を動き回って色々な意見を出し合いながらつくり上げました。
コンセプトもさることながら、立地もユニークだなと思います。練馬というエリアに着目したのはなぜですか?
荻野:活用されていない物件を自分たちの視点でどう面白く再生できるかと考えたときに、銀座や新宿といった一等地でやるよりも、あまり知られていないけれど魅力のあるエリアや物件で取り組んだほうが面白いと思ったからですね。
練馬を詳しく知るまでは、正直なところよくある住宅街というイメージを持っていたんです。しかし実際に行ってみると、3つの路線が通っていて交通の弁が良かったり、駅前に様々な飲食店が立ち並んでいていたり、実はいろいろな魅力が隠れている街だということに気づいたんですよね。さらに、Neribaとなる練馬の物件は、3部屋空いているけれど10年間使われていなかったりお風呂がなかったりして、住居として貸し出すには難しい物件で。様々なエリアにある10件以上の物件を見て回りましたが、一癖あるからこそ多様な方法で活用できるポテンシャルを感じたのがこの物件でした。
実際に運営してみて、Neribaはどんな場になっていると感じますか?

富田:Neribaはイベントスペース、カフェ・バー、シェアハウスなど様々な側面を持っていますが、現在の中心はコンテンツバーです。コンテンツバーでは個性豊かな店長が日替わりでカウンターに立ち、集まった人同士でスキルを活かした企画を作るなど、新しいコラボレーションの循環が生まれる場になっているなと感じます。
最初は地道に知り合いから声かけをして、1日店長をやってくださる方を募集していました。徐々にお客さんから1日店長やってみたいという方も現れて、現在はプログラマーや料理教室の先生、マリッジアドバイザー、英会話講師など職業も立場も多種多様な方が各々やりたいテーマで店長をしています!これまでに開催した企画には、『練馬夜会~練馬友達を作ろう〜』『練馬の起業家TV企画会議』といった地域に根差したテーマも多く、「練馬を盛り上げたい!」という地元の方々の想いも反映されていますね。
最後に、これからの展望を教えてください!
富田:Neribaを起点に練馬の面白さを多くの人に知ってもらいたいですね。現在はNeribaだけでなく、『練馬とつながるメディア Neriba Magazine』というオウンドメディアも運営していて、今後は地元のお店のインタビューなどを通じて練馬の魅力を発信していきたいと考えています。
荻野:練馬は東京都ですが、地方都市のような雰囲気もあるなと思っていて。東京の他の地域に住んでいる人が小旅行に来るようなイメージで、練馬の知られざる魅力に触れるきっかけづくりができたら良いなと思います。
また、Neribaに限らず、多様な人が集まってチャレンジできる場づくりを様々な地域で実現していきたいです。2020年秋には、世田谷区の祖師谷大蔵駅近くに飲食店×シェアハウスの複合施設『b.e.park』をオープンする予定です!企画から多様な人と一緒に推進していきたいため、飲食店プロデュースに関わりたい方、シェアハウスの立ち上げを経験したい方はぜひ語り合いましょう。
スペリアルはこれからも新しい企画を仕掛けていきます。開業したい方、協業したい方、協業したい方、プロデュースに関わりたい方、ぜひお問い合わせください!
スペリアルWebサイトはこちら