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友人からストックオプション(SO)について質問されていろいろ調べたので、まとめてみました

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鵜飼真

株式会社JELLYFISH/株式会社サポートセンター 管理本部マネージャー/財務コンサル事業部責任者

ある友人がスタートアップの役員から誘われて、その会社への入社を検討しています。その友人はストックオプション(SO)という言葉は知っていたので、どうせスタートアップに入るならSOがほしいと考えました。しかし彼は、SOがどんな仕組みなのかはよくわかっていません。

企業目線で考える、SOとは?

SOとはなんなのか、なんのためにやるのか。それを理解するにはまず企業側に立って考えてみるとわかりやすいです。

企業はなぜストックオプションを発行するのでしょうか?

求職者に対して相応の給与を提示し、求職者もそれに納得して入社すれば何の問題もありません。

しかし、スタートアップにはお金がありません。(最近はそうでもなくなってきていますが!)優秀な人を採用しようとしても、十分な給与を提示できません。そんなときのソリューションの一つがストックオプションです。

ストックオプションとは、あらかじめ決められた期間内であれば、決められた価格で株式を購入できる権利です。スタートアップの株価は基本的には上昇していくので、どんどん価値が上がっていく株式を安く購入できるということです。これが実質的な報酬となるので、先ほどの給与のギャップを埋めて、採用に近づくということです。

そもそも株式とは?

株式について理解のある人はこの段落はスキップいただいて大丈夫です。一つ手前の段落がよくわからなかった人は、まず株式について理解しましょう。

株式とは、会社を細切れにして交換しやすくしたものです。

100株発行されている会社の株式を100株持っていたら、その会社は100%あなたのものです。

100株発行されている会社の株式を友達と50株ずつ持っていたら、その会社は半分あなたのもの、半分友達のものです。

100株発行されている会社の株式を1株持っていたら、その会社の1%はあなたのものです。でも、1%では”その会社を所有している”とは言えないですよね。

どれくらいの割合を保有しているかは、とても大事です。株式会社の意思決定は株主総会で行われますから、その投票権を50%以上持っていたらすべての意思決定をできるということですから、51%を超える株式を持っているかどうかは、とても重要というわけです。

SOの比率

SOは株式を購入できる権利です。つまり、企業としては、発行時点で株式の放出を覚悟しなければなりません。株式を放出するということは、会社の一部を分け与えているのと同じです。相場は5%~10%ほどをSOに割り当てるようです。

10%くらいなら企業からすれば痛くもかゆくもないのでは?と思われるかもしれません。しかし、株式を保有しているということは、会社の意思決定に関わる権利を持っているということです。友達と旅行先を決めるときに、毎回難癖つけてくる人がいたら嫌になりますよね?たとえ数%のSOでも、付与する側はそう考えるということです。

SOをもらう側(従業員)にとっては本当に得なのか?

企業側の都合はだいたいわかったので、従業員側に戻って考えてみましょう。従業員にとって、SOは”不確実だが将来大金がもらえる可能性のあるもの”です。

まずSOの行使価格と、将来の株価の試算が必要です。これは会社に聞けば教えてくれるでしょう。つまり、将来SOによっていくら利益を得られるのか。投資と同じですね。

あとはいつ上場するのか、そのときの企業価値はいくらなのか、そしてそれを本当に信用できるのか。会社が成長しなければ株式の価値も上がらないので、SOの価値も上がりません。その成長を信じれるかどうか。これから入社するのであれば、会社の成長をあなた自身の力で加速させることができるか。

つまり、あなたがその会社の船に乗りたいと思えれば、SOは両者にとってWin-Winの仕組みだといえます。

とある記事によると、最近上場した企業で初期メンバーに発行されたSOの平均持ち分は0.3%とのこと。初期メンバーの平均で0.3%ですから、入社タイミングが遅いほど付与される割合はもっと少なくなるでしょう。また上場時時価総額中央値は70億円ですから、0.3%をかけると単純計算で2000万円ですね。そこから行使価格を引くことにあります。

もちろん時価総額は企業によりピンキリなので、数億円を得る可能性もありますし、2000万円にはるかに満たない場合もあるでしょう。上場できない確率のほうが圧倒的に高いことを考えると、割のいい投資なのかは疑問です。当選時の金額感は宝くじと割と近く、当たる確率は宝くじよりも高いと言えるでしょうか。

スタートアップに入社するのを検討していて、ストックオプションの議論をしているような方であれば普通に働けば500万~1000万はもらえる方が多いでしょう。その人たちにとって、目先の数百万円を我慢して、将来の不確定なストックオプションに賭けるかどうか。賭けるのはお金だけでなく膨大な時間もです。

めちゃ良い。日本でも、次世代のスタートアップはこうなっていくと思う。

『ストックオプション(SO)を全ての社員に対して付与し、一定期間業務に従事した社員は退社後も SO を行使できる制度を導入することを明らかにした。』https://t.co/IfjgwRTjuO

— Shoji Miyata (@miyata_shoji) November 4, 2021

上記ツイートにあるように、SOは在職要件があるのが普通で、そこも本人にとっては悩ましいところです。

ただし、最近は分割付与みたいなこともされていて、1年在籍で25%、2年在籍で25%、、、と段階を踏んでSOが付与されることもあるようです。

結論、SOは転職時に重視すべき?

ストックオプションが欲しくて、のような動機でベンチャーに飛び込み、大成した、という人は見たことがない。理由は色々だろうが、それぐらいの動機だと、苦難を乗り越えられないのだろう。苦難を乗り越えていくことが経験値になるので、苦難から逃げるとキャリアアップもしないのだろうと。

— めがねシャチョウ (@tadkiyokawa) November 1, 2021

偏った主張を引用しているので参考程度にしてほしいのですが、日本ではアメリカほど上場時の時価総額が大きくならないことから、SOのリターンが小さくアップサイドが小さい傾向があります。冒頭の友人のように、スタートアップのキラキラワードであるSOに惹かれる気持ちはわかりますが。。。

ここからはさらなる私見ですが、サラリーマンが一生で稼ぐ額が2億円~3億円と言われる中、目先の100万円、200万円は誤差の範囲です。なので「100万円給与が下がるのを受け入れるから、代わりにSOをくれ」みたいな主張はナンセンスだと思います。もっと単純に、その仕事がしたいのか、自身の成長に繋がるのか。SOは判断の軸にはならないと思います。

最後に、私がSOという仕組みでいいなと思うのは、文中でも言及した”同じ船に乗り同じ目標を目指す”ことを促進する要素だと思っています。自信の力で会社を成長させ、そのリターンを得るというのは一番お互いにWin-Winではないでしょうか。もちろん、このような設計は営業インセンティブでもできると思います。また資本政策として発展させるなら、SOだけでなく生株の話や、MBO(役員による会社買収)という選択肢も出てくると思います。

SOはあくまでおまけであるとか、税制適格かどうかなど細かい論点はいろいろあるものの、初歩的な考え方の整理としては本記事の内容で十分かなと思います。

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鵜飼真

株式会社JELLYFISH/株式会社サポートセンター 管理本部マネージャー/財務コンサル事業部責任者

2015年 東洋電装株式会社 経理部  新卒で創業70年の自動車部品メーカーに入社し、経理部で連結決算・管理会計・監査対応などを担当 2018年 トライデントアーツ株式会社  ブロック...

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